第1章 発生生物学の歴史と基本概念
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発生生物学(developmental biology)の成果目標の一つは、ヒトの発生を理解すること
先天異常
発生上の遺伝子制御と密接に関係している
薬剤、感染症のような環境要因もこの遺伝子制御に影響する
再生医学
損傷を受けた組織、器官を修復するための細胞治療を行う方途を見出そうとする
今日この目的で幹細胞(stem cell)が注目されている
がん細胞もまた、無限に増殖する能力など胚細胞の性質のいくつかを持つ
がん化に関わる遺伝子には発生を制御する遺伝子が多い
受精卵からの胚の発生は胚形成(embryogenesis)といわれる
胚形成でまずなすべきことの一つは、その生き物の全体的な設計図(ボディプラン)を創ることで、生物はいくつかの方法でこの基本課題を解決している
手に入りやすく、実験操作や遺伝的解析のしやすい比較的少数の動物に研究を集中してきた
カエル、線虫、ショウジョウバエ、シロイヌナズナ
ある生物について特定の発生過程を理解することが、他の生物で同様の過程を解明する手助けになる
発生生物学で最もエキサイティングかつ満足を与えてくれることの1つ
ショウジョウバエにおける初期胚形成を制御する遺伝子の同定は、哺乳類や他の脊椎動物の発生で同様に働く相同な遺伝子の発見をもたらした
本章では最初に胚発生学(embryology)の歴史を総括する
発生研究はずっと胚発生についての研究であった
発生生物学という語は比較的最近の言葉で、発生は胚のみに限られるのではないという意味を含んでいる
伝統的的な胚発生学は胚の形態と細胞運命に関する実験結果を記述してきた
今や分子遺伝学ならびに細胞生物学的に発生を理解する時代となった
Box 1A アフリカツメガエル(Xenopus laevis)発生の各段階
発生生物学の起源
発生生物学の諸概念
→第2章 ショウジョウバエのボディプランの発生